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生きるススメ

何がきっかけだったかは全く覚えていないのだが,たまたまこの人のHP「コンプレックスプール」にたどりつき,月並みな言い方だけど,衝撃を受けたマンガ。

生きるススメは,何度か買おうかと逡巡し,でもまあHPで読んだからな,と買わずにいた。でも,つい最近HPを見てみたら,読めなくなっているものも多くて,特に私が好きだったものが読めなくて,思わず(どの単行本に載っているかもわからないまま)出張先の大阪で買ってしまった。

まあ結局,私の好きだった話は載っていなかったんだけど。

大阪から帰りの新幹線の中で読み始め,ほぼ知っている話だったにも関わらず,途中涙まで出てしまった。あらためて,モニターで読むのではなくて,ちゃんとした冊子で読むことの大きさを思い知ったり。

まず,いいなーと思ったのは,病気ですごくかわいくない妹(お母さんや先生を独占する)を持つ姉の話。妹の手術は成功するが,やはり自分は妹をかわいくないと思う。かわいいと思えるようになりたい,「いい人間になりたい」と彼女は泣く。十分だよと,肩を抱いてあげたくなる。

「小さな死」は病気を持つ恋人とセックスをするたび,「ある種のカクゴ」をする女性の話。「2009年の決断」は,遺伝子診断で,35歳までに75.4%死ぬと診断された男性と結婚する決断をする女性の話。どちらも,恋愛と死(別離)がテーマで,ありがちなテーマではあるんだけど,ほろっとさせられてしまう。

一番好きなのは「花」。病気のマンガ家と最期まで作品をしあげるアシスタントの話。このアシスタントのことば「創作は本当は心に傷をもつ人間の特権ではないか」。自分にはその傷がない,と。

マンガ家に「花」をもらうのだけど,その花がなかなか咲かない。マンガ家は言う。「花を咲かせない方法っていうのがあるの。水も栄養も十分与えるのよ。そうすると植物は安心して花を咲かせないわ」

思うことがありすぎて,新幹線の中で泣いてしまいました。

なんか好きだと思った作品は,妙に「死」が関わっているものばっかりだったな。そんなのばっかりということではないんですけど。

生きるススメ Book 生きるススメ

著者:戸田 誠二
販売元:宙出版
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